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競馬をターゲットに

ヤマハの二輪車あるいはマリン事業でのブランドイメージは、世界的にもかなり高いものがある。
トヨタとしては、ヤマハをグループ企業の一つに加えることで協力関係を築き、若者へのアピールにも結び付けることができる。 このトヨタ、ヤマハ提携劇は実は、「ホンダ包囲網との意味合いも十分受けとめられる」と、二輪車業界から声も上がったほどである。
ホンダには、「鈴鹿サーキット」と「ツインリンクもてぎ」というサーキット場が子会社としてある。 鈴鹿サーキットは歴史があり、日本でのF1開催地や二輪車の「8耐(八時間耐久レースとサーキットとして有名だ。
加えて、東日本のホンダサーキット場として、ツインリンクもてぎが九八年栃木県にオープンした。 「凄いものを造りましたね。
でも、利益を上げるのは大変でしょう」そのオープン直後に、ホンダのY社長に招かれて見学に訪れたトヨタのT名誉会長はしきりに感心したという。 しかしそのときすでに、トヨタが水面下で日本のモータースポーツサーキットの名門「富士スピードウェイ」FISCOとの買収を着々と進めているという噂が流れていた。

二○○○年二月、トヨタ自動車と三菱地所は富士スピードウェイ買収を発表した。 「モータースポーツは一つの文化であり、技術陣は大きな夢を持っている。
トヨタは若者の心をつかむことが足りないと言われ、ここ数年いろいろと手掛けてきた。 今回のFISCO買収もその一環だ」Cトヨタ自動車社長は、そのFISCO買収発表記者会見の場で、F1参戦や富士スピードウェイのサーキット場を子会社化することでの若者取り込みを明言した。
トヨタが三菱地所の子会社であるFISCOに約六七%出資して経営参画するということは、トヨタの実質的なFISCO買収を意味する。 それが証拠に、社長もトヨタから送り込まれた。
記者会見では、トヨタ主導でFISCOの施設を改修して若者の集まる場にした後、F1開催にもっていくことも明らかにした。 トヨタによるFISCO買収発表は、翌日の新聞には「トヨタ、若者争奪でホンダとバトル」という見出しが踊った。
記事には「トヨタのF1参戦?とくに意識していない。 お互いに切瑳琢磨していけばいい」と表向き平静を装うYホンダ社長のコメントがあれば、「うちでも優勝まで三年以上かかった。
F1はそんなに簡単じゃない」というFホンダ専務のコメントもあり、両社の若者争奪戦を大いに煽っている。 トヨタの技術開発陣を率いてきたKトヨタ自動車前副社長は、F1参戦を主体とするトヨタのモータースポーツに対する考え方をこう語る。

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